丹波通信２０６ 母の死
母は全身黄疸が回り驚くほど黄色い顔、体になっていました。そして、床ずれがひどく、又、七転八倒する事もありました。 「祥人、母ちゃんは、もうあかん。体中が痛い！ 苦しい！ 頼むから先生呼んでモルヒネ打ってもろて！」私「モルヒネはあかんで。胃潰瘍は治る病気らしいし、モルヒネはきつい薬や・・・と言う事ぐらい知ってるで。」 （たぶん、母はまだ疑いながらも胃潰瘍だと思っているはず・・・。） 「そんな事したら治るもんも治らんよ。」 これは、そのとき私が大変悩んだ結果の言葉でした。 しかし他方、薬で楽になるのだったら痛みを少しでも取り除いてあげたい・・・。（この頃の私の葛藤は激しいものでした。）
入院して３ヶ月もたたない６月、母は壮絶な最期でした。眠るように・・・、と言うものには程遠い最後でした。しかし、私には涙が出ません。横で父が取り乱しているのです。これからは、自分がしっかりしないと、と痛感しました。暫くして、父に言いました。 「母ちゃんは、癌やったらしい・・・。」
その日以降、父は仕事に行かなくなり、ブラブラする様になりました。元来がギャンブラーで真面目に仕事をしない人です。母が発病したのもこんな父の為の心労だったと思います。49日の法要も終わる頃、私は父方の親戚からこう言われました。 「祥人はH学園と、もうひとつの塾に行き、テニススクールにも通ってるそうやな。それと、クラブ活動は２つもしてるって？ 金の使いすぎやな・・・。今日で全てやめろ！ そして、家事に専念しろ！ 大学も行かんでよろしい。お父さんはあんな調子やから、貯金と不動産の権利書は全て親戚で預かる。」
（大変強行な態度を10人以上がとるので、15歳の私には全く抵抗できませんでした。）
私は本当に全ての活動を禁止され、やったことの無い家事を担う事になりました。しかし、まもなく父は私が小学６年の頃から兆しがあった精神の支障が次第に大きく成りだし、必然的に入院生活に入りました。以後、入退院を繰り返しながら現在は、20年以上の長期入院中です。
最も多感な時期に複数の事が重なり、勉強の出来るお坊チャマだった私は、いとも簡単に転落しました。父の発病、母の発病とも40歳代でした。そして、時を隔たず、今度は祖父の謎の変死が新聞に載ったのです。
丹波通信２０7 稼ぎません！？
私がソニー生命に入社する前の最終面接での1コマです。 支社長「中嶋さんは前職までで、かなりのお客さまをお持ちの様ですが、当社に入社後はどの様に活動されるおつもりですか？」 私「はい。まずは、１ヶ月の研修がおありとの事ですね。私がＳ不動産から直に御社に入社するより、ワンクッション・・・それも2年近くもブランクを持ってからの入社ですから、簡単には考えておりません。 じっくり勉強し、又営業のカンも取り戻します。」
支社長「そうですね。私も一番気がかりはそこです。」 私「40歳にしての転職ですから普通なら背水です。しかし、私は背水と言うのは危険だと思っています。」 支社長「ほう・・・。と、言いますと・・・。」 私「稼がなあかん！ と、思わない様にします。」 支社長「？？？」 私「コンビニを開業するにも350万の資金が必要です。ですから、お給料が貰えると言っても私は事業資金として、300万で新たに口座を開きました。」 支社長「ほ～。」 私「交通費や必要経費をケチっていては、人間も活動もどうしても小さくなってしまいます。心が狭く、侘しく、せこくなってしまい、お金の事ばかり気にしていては仕事に支障をきたします。だから私は300万を使い切るつもりで、ドンドン前向きにお客様に会うつもりです。しかし、契約をお客様にせかす様な事は私のスタイルではありません。」
「それから、1ヶ月の研修が終わる迄は誰にもソニー生命に移った事を言いません。みっちり、頭と体に御社の長年のノウハウを叩き込んでから外に出ようと思います。何故かと言うと、義理で契約してくださる方は何名かはいると思います、今でも。しかし、私はそんな事したくない。それに、十分な知識も携えないでお客様に会う事はその方に失礼な事と思いますから・・・。」
支社長「前回の面接の折にお借りした、この丹波通信。大変楽しく私と所長で読ませて頂きました。これ１冊読むだけでも、貴方なら大丈夫だと我々は思っていました。その上、そこまで考えておられるのなら絶対大丈夫でしょう。
是非、今年のトップ・オブ・ザ・ルーキーを勝ち取って下さい。」
丹波通信２０８ あそんで～や～！
兄②「お父さん、今日は休みか？」 私「いや、夕方から仕事あるからなあ・・・。」 兄②「ほんなら、今はええんやろ！ 遊んで～や～！」 私「う～ん、今は仕事前で、お父さんはくつろいでんねん。」 兄②「なんで～や～。あそんで～や～。」
私「何が遊んで～や～じゃ！ この前、お前らの体操の発表を応援したろと思って休んだったのに『来んでええ。』言うたくせに！」 兄②「あれはお兄ちゃんが言うたんやん。」 兄①「来んでええなんか言うてへんで！」 私「ええねん。もう、お父さんはこれから１人で自分の世界に入るねん。１人でオイシイもん食べて、１人で釣りに行って、綺麗な女の人と仲良くすんねん。」 娘「結婚するんか？」 私「結婚は、出来んやろ。（妻を指さして）あの人がおるから・・・。」
「しかし、この前の日曜の事は、もう丹波通信に書いたもんね～。RICの5300件の人がみ～んな見るワ。そして、皆が『中嶋さんのお父さんかわいそう！』 って思うで～。 ほんで『リク君、アイ君、ランチャンって冷たい子供達やなあ・・・』って思いはるワ。」 兄①「そんな事書かれたら、もう僕らRICに行かれへんやん！」 私「オマエ、何、大人みたいな事言うてんねん。まだ小３のくせに！」 「お父さんはなあ・・・オマエらの為に一生懸命仕事して日本一になって、９月に軽井沢にみんなを連れていこうと思ってたのに （トップ・オブ・ザ・ルーキーに関係する表彰式及び祝賀会です。） お母さんも兄①も行かへん言うし、お父さんは悲しいワ。もう、これからはお父さんの事は、ほっといて～！」と、両手で顔をおさえる。兄②（小さい声で）「お兄チャン、どうせお父さん、うそ泣きやで。」 兄①「たぶんな。」 娘「・・・。」 私「べーだ！」
丹波通信２０９ 子供のスケジュール
大変暑かった夏休みが終わりました。私の家族は、結局どこにも行きませんでした。近所の川でドンコ(魚)採りをしたくらいのものでしょうか。毎度親バカですが、この長い40日あまりの休み中、兄①、兄②、娘は、マア、よう勉強していました。感心します。朝、私が7時位に起きてリビングに行くと、大抵、兄①、兄②は机に向って何やらしています。
私「おはよう！」 兄①、兄②「おはよう！」 私「勉強してんのか？」 兄①、兄②「そうやで！」 私「ふ～ん。」
「今日の予定は、どうなってんねん？」兄①「この勉強終わったら10時から学校で勉強会があってなあ。それから昼一回帰ってきて、2時から4時迄また学校行ってプールやで。」 私「そうか、じゃ今日は習い事はお休みか？」 兄②「あんで。5時から福知山ゼミでなあ・・・今日から国語も始まんねん。」 私「お～っ！ とうとう国語もやるんか！？」 兄①「そやで。せやから今日は5時から算数やって6時から国語やで！」 私「ダブルヘッダーやな～！」 兄①、兄②「ダブルヘッダーってなに～？」 私「１日に２つもやると言う事や。ほんなら家には8時に帰って来るんか～？」 兄①「ちゃうで～。そのまま、また小学校行ってヨサコイソーランダンスの練習やで～！」 私「え～っ！？まだ何かあんの～？オマエらそんなんで、しんどないんか？」 兄①、兄②「しんどいで～。」 （そらそうやろ・・・。）
私、小学校の時は夏休みなんか全く勉強せず、宿題も日記も朝顔の記録も最終の３日で、泣きながらやっていました。日記の天気も、メチャクチャ。朝顔は毎日必ず1～3個は花が咲いていた事になっていました。・・・・。
福知山ゼミ
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丹波通信２１０ 歴史が好き
この夏は沢山の方に 「アテネオリンピックのせいで寝不足なんです。中嶋さんもでしょ？」 と言われました。私「うち、テレビ無いので全く知らないんです。」 お客様「アッ、そうやった。本当にテレビが無いんですねぇ。オリンピック見たくないですか。～？」 私「・・・興味無いんですね～。」 お客様「じゃあ、夜なんか何されてるんですか～？ お子さん達はテレビ見たいって言われるでしょ！」
私はこの夏、あるお客様に刺激されてから三国志を読み、これにはまってしまい、今現在も三国志関連又はそれ以外の時代の中国の歴史書をむさぼり読んでいます。あ～楽しい！ 元々日本の歴史は得意分野があり、保元･平治物語,平家物語,源氏物語,戦国時代の各読み物は小学生の頃から、ずーっと読んでいたのですが、中国は奥が深～い！ 勉強になるし、人生観が変わった・・・と言っても言い過ぎでないと思います。
有名な「泣いて馬謖をきる」 は西暦230年頃、蜀という国の諸葛亮（孔明）が魏という国と戦っているときに自分の策にうぬぼれていた馬謖が諸葛亮の命令にそむいた作戦をとった為敗れてしまい、その頃、諸葛亮は最も馬謖をかわいがっていたのですが軍法違反を律する為、泣きながら馬謖を漸罪に処した。という話から来てるんですよね～。(知らんかった)
テレビがないと言っても、なかなか本を読まなかった子供達はこの夏休みから少しずつ本を手にする様になりました。やはり毎日毎日両親共ずーっと本を読んだり勉強していたら、子供達も 「それがあたり前」 になるものなんでしょうか？ （ところで私と歴史談議して下さる方おられませんか？）
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